ヘッドライトが黄ばんだ車(E51エルグランド)のイメージ

車のヘッドライトに黄ばみが出てくると、ボディーをピカピカに洗車しても、なんだかパッとしないし車が古臭く見えてしまいます。

洗車のついでに念入りにスポンジで擦っても、この黄ばみは取れる気配がありませんし、いったい何なんだと思っている人も多いと思います。

そしてこのヘッドライトの黄ばみは、軽自動車から高級車まで車種やグレード関係なく発生する可能性がある現象なので、今はまだ黄ばんでない車でも、そのうち黄ばみが出ることも考えられるのです。













ヘッドライト黄ばみの原因は材質にあった

現在は、ほとんどの車のヘッドライトにポリカーボネートというプラスチックが使われています。

このポリカーボネート(通称ポリカ)がヘッドライトに採用される前は強化ガラスが使われており、古くなっても強化ガラスそのものは黄ばんだりすることはありませんでした。

この流れだけを見ると、なんだかコスト削減で改悪されたようですが、そのようなことは無く、ポリカーボネートに強化ガラスより優れたところが多くあったから採用されたのです。

例えば、普通のガラスに対する強度が、強化ガラスは3倍~5倍なのですが、ポリカーボネートは250倍であったり、ガラスの比重が2.5なのに対しポリカーボネートの比重は1.2しかありません。

つまり、とても強くて軽い素材なのでヘッドライトに採用されたのです。

余談ですが、世界中の警察や軍隊で、ポリカーボネート製の盾が使われているのも有名な話ですね。

さて、そんなポリカーボネートですが、ヘッドライトに採用された理由はもう一つあります。

それは加工のしやすさです。

現代の車のヘッドライトは、単純な丸や四角ではなく、デザイン性の優れたとてもカッコイイ形をしていますよね。

それが実現できたのもポリカーボネートだったからと言えるのです。

テールランプの黄ばみ?

車のヘッドライトは黄ばむのに、テールランプやウインカーに黄ばみが出ないのは不思議ですよね。

実は、一般的なテールランプやウインカーには、ポリカーボネートではなくアクリル樹脂というプラスチックが採用されています。

このアクリル樹脂は、経年劣化による変色や変形が起こりにくく、対候性にも優れています。

それとテールランプやウインカーレンズは、赤や黄色のレンズが多いことも劣化が目立たない理由だと思います。

しかし、そんな劣化に強いアクリルでも、強度と安全性の問題から車のフロント部にあるヘッドライトには採用できないのです。

ポリカーボネートにも弱点がある

強化ガラスのヘッドライトに対して、良い事ばかりのようなポリカーボネートですが、実は色々な弱点もあります。

まずは皆さんもご存知の通りの黄ばみが出ることです。

これは黄変劣化と呼ばれるもので、紫外線(光)、熱、酸素などによって引き起る現象です。

  • 太陽光に含まれる紫外線や熱
  • ヘッドライト点灯時に出る熱
  • 空気中の酸素

新車時のヘッドライトは、表面にハードコートと呼ばれるコーティングが施されていますので、すぐに黄ばみが出ることはありませんが、まずハードコートが経年劣化により剥がれ落ち、それから中のポリカーボネートが黄色く変色していくことになります。

ですから、例えヘッドライトを磨いて黄ばみを除去したとしても、表面コーティングが剥がれたままでは、数ヶ月でまた黄ばんでしまうのです。

それとポリカーボネートは、アルカリや有機溶剤に弱い性質があります。

後でも詳しく書きますが、ヘッドライトの黄ばみを落とそうとして、家庭用洗剤のアルカリ洗剤や薬品などを使うと、その時は黄ばみが取れて綺麗になったように見えるかもしれませんが、時間が経つにつれマイクロクラック(細かなヒビ)がレンズ内部に入り、磨いても修復できない状態になることもあります。

もう一つ注意したいのは、安価なHIDバーナーは紫外線カット(UVカット)ガラスが使われていない為、それを使用するとヘッドライトの内部から黄ばみが発生する恐れがある事です。

ヘッドライト内部から黄ばみが発生した場合は、ヘッドライトのレンズを分解(通称:殻割り)しなければ磨くことは出来ませんので、素人レベルでは対応できません。

ヘッドライトの黄ばみ除去方法

ヘッドライトの黄ばみを除去する方法は、大きく分けて二つあります。

ひとつは、表面を磨き黄ばみを削り取ってしまう方法で、使用するのはコンパウンド系や耐水ペーパー(耐水サンドペーパー)です。

もう一つは、ポリカーボネートにも使える薬品で、黄ばみを拭き取る方法です。

こちらは、表面コーティングと黄ばみを溶かし取るようなイメージですね。

どちらの方法にも、ヘッドライト黄ばみ専用品を使う方法と、別の目的で作られた家庭用洗剤や市販の薬品を使う、裏技的な方法があります。

とかくネットでは裏技情報が注目されがちですが、専用品を使うメリットも大きいので、そちらを解説をした記事(まだ書いてないw)もあとで読んでくださいね。

ヘッドライトの黄ばみを磨く(削る)裏技

ヘッドライトの黄ばみを削る裏技は、耐水ペーパーや液体コンパウンドを使い、手磨きやポリッシャーで磨く方法です。

やり方は簡単で、ヘッドライトの周りをマスキングテープで養生し、後はキレイになるまでひたすら擦り続けるだけの方法です。

これは裏技と言っても、一般の業者もポリッシャーで行っているので、定番の方法とも言えますね。

耐水ペーパーの番手(粗さ)は、1000番・1500番・2000番の順に使うのが一般的です。

しかし一番目の細かい♯2000の耐水ペーパーでも、磨いた後はヘッドライトが真っ白な状態になりますので、必ず液体コンパウンドで仕上げをする必要があります。

液体コンパウンドは、ソフト99から発売されている3000番・7500番・9800番がセットになった、液体コンパウンドトライアルセットが人気ですが、これから紹介するピカールやキイロビンがあれば、無くても良い気がしますね。

とはいえ耐水ペーパーから全て手磨きだと、時間と根気がとても必要なので気合と根性がある人以外は、まずはピカールやキイロビンで始めるか、後半に紹介する黄ばみを溶かす方法がおすすめです。

たぶん耐水ペーパー手磨きコースだと、DIYに慣れた人でも3時間くらい必要だと思うんだな・・・。

ピカールで黄ばんだヘッドライト磨き

さて、ヘッドライトの黄ばみ取りで一番有名な裏技は「ピカール」と言って良いでしょう。

ピカールは日本磨料工業という会社から発売されている金属磨きの研磨剤なのですが、価格がリーズナブル(300円~500円程)なので誰でも気軽に使いやすい商品です。

このピカールの成分は、酸化アルミニウム、灯油、脂肪酸アンモニウム塩、エチレングリコール、水という事なのですが、どれもポリカーボネートに対して特に悪い影響はなさそうな成分です。

そしてピカールの研磨剤粒子は4000番程度なので、ヘッドライトの磨き仕上げには程よい粗さとなっています。

たまに、ピカールで磨いたらまたスグにヘッドライトが黄ばんだという情報もみかけますが、それはピカールが悪いのではなく、磨いた後にコーティングをしていないのが原因だと思われます。

ただし、ピカールには灯油が含まれているので、磨いた後のコーティング前に脱脂する必要があります。

脱脂には消毒用エタノールがオススメ(理由は後述)です。

キイロビンでヘッドライトの黄ばみ除去

キイロビン(ゴールド)は、車のフロントガラスの油膜取りに使われる研磨剤なので、油分が入っておらず実はかなりオススメできる研磨剤です。

ピカールで磨いた後の仕上げとして使うのも良いですし、ピカール研磨をすっ飛ばしてキイロビン(ゴールド)だけで勝負しても良いと思います。

キイロビンの研磨剤粒子の大きさは不明なのですが、使った感じはピカールより細かい感じですね。

本来の目的の油膜取り能力も高いので、フロントガラスがギラギラしている人は使ってみてね。

KURE LOOX(ルックス)でヘッドライトの黄ばみ落とし

KURE LOOX(ルックス)はKURE 5-56(通称:CRC)で有名な呉工業が発売する自動車用洗浄剤です。

成分は「界面活性剤、合成ワックス、カルナバワックス、シリコーンオイル、石油系溶剤、研磨剤」と書かれており詳細は分かりませんが、ヘッドライトにも使えると書かれているので大丈夫なのでしょう。

ヘッドライト磨きとしては少しマイナーな感じはしますが、実は使用感がかなり良くて、黄ばみをグングン落としてくれます。

使用されている研磨剤は、0.7ミクロン(9000番前後)と超微粒子なので、ヘッドライト以外のメッキ部分やドアノブ周辺の傷消しにも使えて便利です。

難しい作業は苦手だけど、気軽に黄ばみを落としたい人にはオススメできる商品です。

プレクサスでヘッドライトの黄ばみ取り

プレクサスは、車の軽い汚れ落としや艶出し保護剤として人気のある商品ですが、ヘッドライトの黄ばみ取りとしては、少し弱い印象です。

プレクサスだけで磨いた場合、何となく黄ばみが落ちたかなくらいの印象です。

既にプレクサスを持っている場合に、試してみるのは良いのですが、ヘッドライトの黄ばみ取りの為にわざわざ購入する必要はありません。

その他のヘッドライト磨きの裏技

この他にも裏ワザとして使われる研磨剤には下記のようなものがあります。

  • 歯磨き粉
  • メラミンスポンジ(激落ちくん)
  • クリームクレンザー

まず歯磨き粉は、商品によって研磨剤の粒子や成分が異なるので、あまりオススメできません。

人のクチに入るものですから安全性は高そうですけどね。

激落ちくんなどのメラミンスポンジは、♯3000位の粗さなのでピカールの前なら使うことが出来ますが、メラミンスポンジだけだと荒すぎるので気を付けて下さい。

台所用のクリームクレンザーは商品によって異なると思いますが、ヘッドライトには荒すぎるので使わない方がいいです。

ヘッドライトの黄ばみを溶かす裏技

ヘッドライトの黄ばみ除去の裏技の多くが、この黄ばみを溶かす裏技になります。

しかしポリカーボネートの使用に適さない洗剤や薬品が使われていることも多いので、長い目で見るとヘッドライトにクラック(マイクロクラック)と言うヒビ割れが入る原因にもなります。

という事で、ネットでよく使われているアイテムを一つずつ解説していきます。

  • 無水エタノール(消毒用エタノール)
  • 虫除けスプレー
  • 強アルカリ洗剤(マジックリンなど)
  • 漂白剤(カビキラーなど)
  • 燃料用アルコール
  • KURE556(CRC)
  • タイヤワックス
  • アルカリ電解水
  • 重曹

無水エタノール(消毒用エタノール)

ヘッドライトの黄ばみ除去に無水エタノールや消毒用エタノールがどれほど使われているか分かりませんが、実は上記の中で唯一ポリカーボネートに使って良い薬品になります。

つまり先に答えを書くと、この中で無水エタノール(消毒用エタノール)以外は、ポリカーボネートに悪い影響を与える可能性が高い間違った裏技になります。

無水エタノールは純度99.5%以上のエチルアルコールのことで、ポリカーボネートはエチルアルコールに対して耐性があるため使用して問題ありません。

ただし無水エタノールは消毒用エタノールに対し、少し高価で揮発性が高いため、ヘッドライト磨きには消毒用エタノールがオススメ(経済的)です。

消毒用エタノールにも色々あるようですが、一般的に安価で売られている消毒用エタノールには、イソプロピルアルコール(イソプロパノール)というものが添加されています。

病院などでよく感じる消毒特有の臭いは、このイソプロピルアルコールの臭いです。

ポリカーボネートは、このイソプロピルアルコールに対しても耐性があるため使用して問題ありません。

使用方法は、ウエスなどの柔らかい布にエタノールを含ませ、ヘッドライトをゴシゴシ磨くだけです。

はじめ劣化したコーティングや黄ばみが剥がれ溶け落ちて、白く汚れたようになりますが、何度か続けると透明度が蘇ってきます。

とても簡単なので、ヘッドライトを簡単にキレイにしたい人にオススメの方法です。

ただし、傷やハードコート剥がれのムラは落ちませんので、その場合は磨きが必要です。

それと、黄ばみを落としたら新しいハードコートが必要なので、さらに磨いてコーティングするか、妥協してコーティングするかの判断はお早めに。

虫除けスプレー

黄ばんだヘッドライトに虫除けスプレーを使う裏技は、少し前に話題になった方法です。

虫除けスプレーに含まれるディート(DEET)と呼ばれる成分に、プラスチックを溶かす効果があります。

そのため車の黄ばんだヘッドライトに使用した場合は、表面のハードコートや黄ばみ、そしてポリカーボネートを溶かしてキレイになるようです。

DEETのポリカーボネートに対する影響を調べてみたのですが、今のところ実験データがありませんでしたので不明となりますが、他のプラスチックに対するDEETの影響を考えると、やはりヘッドライト(ポリカーボネート)に使わない方がよさそうだと思われます。

ポリカーボネートの内部を侵してクラック(マイクロクラック)が発生した場合、もう元に戻せないからです。

強アルカリ洗剤(マジックリンなど)

ポリカーボネートはアルカリに対する耐性がありませんので、強アルカリ洗剤(マジックリンなど)を使えばクラックが入る可能性が高いです。

絶対にヘッドライトには使わないようにしましょう。(わたし使ったことあるから分かるんです)

漂白剤(カビキラーなど)

家庭用の漂白剤には、塩素系と酸素系があり、風呂のカビ取りやキッチン周りで使われる漂白剤は、塩素系の漂白剤であることが多いです。

この塩素系漂白剤の漂白成分は、次亜塩素酸ナトリウムなのですが、実はこれをポリカーボネートに使用しても問題ありません。

しかし、こういった家庭用漂白剤には洗浄成分を高めるため、強アルカリ性になっていることが多いので、結果としてヘッドライトを痛めしてしまう可能性が高いです。

酸素系漂白剤は、洗濯物の漂白などに使われることが多く、漂白成分は過炭酸ナトリウムです。

水溶液は弱アルカリ性なので、ヘッドライト(ポリカーボネート)に対する影響は小さいかもしれませんが、黄ばみを落とす洗浄力も低そうなので、わざわざ使う理由は無いと思います。

燃料用アルコール(メチルアルコール)

無水エタノール(消毒用エタノール)がヘッドライトの黄ばみ取りに使えるので、安価に手に入りやすい燃料用アルコールも大丈夫そうだと思われがちですが、こちらを使ってはダメです。

燃料用アルコールにはメチルアルコール(メタノール)が多く含まれており、ポリカーボネートはメチルアルコールに対する耐性がないので使えません。

何度も使ってると表面がバキバキになるかもしれませんよ。

KURE5-56(通称:CRC)

KURE5-56は、一般的にCRCとも呼ばれている潤滑剤で、LOOXでも紹介した呉工業が発売する商品です。

「サビを取り、キシミをおさえ、動きをよくする、工具箱の必需品 」というキャッチコピーで売られている商品ですので、サビた金属部分に使われるのが一般的です。

ヘッドライト(ポリカーボネート)に対する影響は分かりませんが、ほとんどが油分だと思われるので悪い影響は少なそうですが、実は浸透潤滑剤とも書かれているので、ポリカーボネートの樹脂内部に浸透して欲しくないので、使用はあまりオススメしません。

これを使用して、透明度が一時的に復活するのは、洗浄効果よりも油分の被膜によるものだと思います。

すりガラスが濡れると透明になるのと同じ効果ですね。

タイヤワックス

タイヤワックスの成分は商品によって異なりますが、洗浄成分や紫外線を防ぐUVカット成分が含まれているものもあります。

ヘッドライトに使用する場合、KURE5-56と同様に、油分の被膜により透明度が復活したように見えるかもしれませんが、一時的な効果となります。

タイヤに使われるモノなので、あまり強い洗浄成分は入って無いと思いますが、わざわざヘッドライトに使う必要も無いと思います。

アルカリ電解水(水の激落ちくんなど)

アルカリ電解水は、水から作られる安全性の高い洗剤として注目されていますが、ヘッドライトの黄ばみ除去には不向きです。

アルカリ電解水は、商品によってPH(ペーハー値)が異なっているため、アルカリ性の高い電解水の場合は、ヘッドライトを痛めてしまう可能性がある為です。

重曹(炭酸水素ナトリウム)

ポリカーボネートは重曹(炭酸水素ナトリウム)に対する耐性があるので、使用しても特に問題ありません。

しかし重曹水の洗浄力は弱く、ヘッドライトの黄ばみを落とすにはチカラ不足と思います。

どうしても使いたい場合は止めませんけど。

ヘッドライト黄ばみ落とし「最後に」

おすすめのヘッドライトの黄ばみ落としは、まず消毒用エタノールで磨き、状態が良ければそのままコーティングします。

傷やハードコートのムラが目立つ場合は、ピカールやキイロビンなどの液体コンパウンドで磨いてみて、改善が見られれば脱脂してコーティング。

液体コンパウンド系でも改善されなければ、耐水ペーパー(耐水サンドペーパー)からのフルコースですね。

エタノールやピカールなどを使わずに、ヘッドライトの黄ばみ取り専用品でキメたい人は、コーティングの記事に専用品を紹介していますので、(まだ書いてませんが)そちらを読んでください。

ポイントポリカーボネートは衝撃には強いのですが、表面は非常に傷つきやすいため、洗車キズなどが入りやすい素材です。

ヘッドライトのハードコートは、ポリカーボネートを傷から守る役割もしているため、磨き(削り)によりそのハードコートが無くなると、傷が入りやすくなります。












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