E52エルグランドのヘッドライトの様子

ヘッドライトの黄ばみをピカールやコンパウンドで磨いたり、定期的にコーティングするのって面倒だし大変ですよね。

そこで今回は、黄ばんだヘッドライトが新品みたいになると話題の「ヘッドライトスチーマー」を自作する方法を紹介します。

ヘッドライトスチーマーの施工風景は、色々な人がYoutubeなんかで公開されていますので、そちらをご覧ください。

このページでもそのうち施工動画を撮影して公開するかもしれませんが、今のところ未定となっています。













ヘッドライトスチーマーの原理

古く劣化したヘッドライトが新品みたいになる様子は、まるで魔法みたいだとも言われていますが、もちろん科学的に説明できる現象なので、その原理を説明しておきます。

まずヘッドライトスチーマーという名前の由来でもある、溶剤を温めて発生した蒸気をヘッドライト表面にあてることで、みるみる透明になっていく現象についてです。

あれはヘッドライトレンズ部分の材質であるポリカーボネートに、それを溶かす効果のある溶剤の蒸気をあてることによって起こる現象です。

つまり、ヘッドライト(ポリカーボネート)の表面がうっすらと溶けて再び固まることで、新品の時のような滑らかな状態になるわけです。

ヘッドライトスチーマーに使う溶剤の成分

それでは、ヘッドライトスチーマーに使うポリカーボネートを溶かす「溶剤の成分はナニ?」という事になりますよね。

使われている溶剤は、ジクロロメタンという有機溶媒(有機溶剤)で、別名「塩化メチレン・二塩化メチレン・メチレンクロライド」などとも呼ばれています。

実は、アクリルやポリカーボネートの接着に使われる「アクリサンデー」の成分も二塩化メチレンです。

アクリサンデーは接着剤として売られていますが、実際は素材を溶かして接着するので溶着剤と言った感じですね。

またジクロロメタンは、古くから金属機械などの洗浄や塗料の剥離剤など幅広く使われていました。

そのため危険性を軽視するヘッドライトスチーマーの使用も見られますが、人間への毒性があり発癌性リスクもある薬品なので、施工の際は健康障害を防止する保護具(後述)を必ず着用してください。

ヘッドライトスチーマーの自作と施工

ヘッドライトスチーマーを自作すると書いたら、何だか難しそうな雰囲気ですが、いくつかのアイテムを組み合わせるだけなので、特に難しい加工が必要なものはありません。

主に必要なアイテムは下記になります。

溶剤

  • ジクロロメタン

ヘッドライトスチーマー自作KIT

  • 車用電気ケトル
  • シガーソケット延長ケーブル
  • シリコンチューブ
  • シリコンコップ
  • 耐水ペーパー(1000番・1500番・2000番)

ジクロロメタンに対する保護具

  • 保護メガネ
  • 防毒マスク
  • 保護手袋

すべてネットやホームセンターや100均で手に入りますので、誰でも簡単にヘッドライトスチーマーの施工が可能だと思います。

ジクロロメタン

ジクロロメタンの商品イメージ

最も手に取りやすいジクロロメタンは、ホームセンターでも取り扱いがあるアクリサンデー接着剤です。

ただし約700円で30mlの容量なので、ヘッドライトスチーマーとして使うと1台程度の分量になり、少々コスパが悪いです。

ただし1台しか施工予定が無いのであれば、使い切りのアクリサンデー接着剤が便利だと思います。

他にもプラモデルなどのホビーで使われる接着剤で、GSR強力溶着剤など色々ありますがネットでの取り扱い店は少なめです。

複数台施工する場合は、Amazonでは「松葉薬品のジクロロメタン」が500mlで約2000円程度、楽天では「三陽工業のサン・ボンド」が1000mlで約1600円程度(送料別)がコスパに優れています。

ヘッドライトスチーマー自作KIT

ジクロロメタンは揮発性が非常に高く、沸点も約40℃と低いので、軽く温めてやるだけで簡単に蒸気となります。

そのため、コーヒーなどの空き缶の蓋に穴をあけ、そこにチューブを通して簡単ヘッドライトスチーマーを作り、お湯で温めたりバーナーなどで炙るという荒業も不可能ではありません。

ただし、そのやり方では蒸気にムラが出やすいので、仕上がりが悪かったり失敗する可能性もあるので、自作KITを揃えた方が無難ではあります。

車用電気ケトル

12V車載ケトルの商品イメージ

ヘッドライトスチーマーの動画を見ると、ステンレスの容器からモクモク蒸気が出ていますよね。

あれは12V電源が使える車用電気ケトルで代用可能です。

車のシガーから電源を取れば、どこでも使えますし、12VのACアダプターを使えば家庭用コンセント(100V)でも使用可能です。

車載ケトルはマグタイプとポットタイプがありますが、ヘッドライトスチーマーにはマグタイプが使いやすいです。

Amazonでの価格は1500円から2000円程度となっています。

シガーソケット延長ケーブル

シガー延長ケーブルの商品イメージ

車内のシガーソケットから電源を取る場合は、ヘッドライトまで距離があるのでシガーソケット延長ケーブルが必要になります。

他には、ACアダプター(12V)やバッテリーにクリップで直結してシガーソケットに変換するタイプなど、お好みや作業環境に合わせて選択可能です。

シリコンチューブ(エアーチューブ)

電気ケトルで沸かしたジクロロメタンの蒸気をシリコンチューブに通してコントロールします。

シリコンチューブは観賞魚用(金魚用)のエアーチューブが100均で手に入ります。

ネットやホームセンターでも安く売られていますで、どこかでついでに購入して下さい。

折りたたみシリコンコップ(カップ)

シリコンチューブを簡単に通すために、折りたたみシリコンコップが役に立ちます。

電気ケトルの蓋にドリルで直接穴をあけても良いのですが、シリコンコップなら目打ちや穴あけポンチなどで簡単に穴をあけることが出来ます。

また電気ケトルとの密着性も良いので、ケトルを倒した時に溶剤がこぼれる心配が少ないです。

シリコンコップも100円ショップで手に入ります。

耐水ペーパー(耐水サンドペーパー)

耐水ペーパーは、1000番・1500番・2000番の3種類あれば十分です。

傷や曇りが深ければ1000番からスタートして番手を上げていきます。

過去に耐水ペーパーで磨いたヘッドライトで、表面のコーティングが残っていなければ2000番だけでも大丈夫かもしれません。

ただし中途半端に耐水ペーパーで磨いてヘッドライトのコーティングが残った状態だと、その部分はヘッドライトスチーマーで透明にならないので、その場合は磨き直しです。

ヘッドライトの状態によっては、消毒用エタノール(無水エタノール)で磨いてヘッドライトスチーマーをかけるだけでも十分綺麗になります。

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ジクロロメタンに対する保護具

初めにも書いたように、ジクロロメタンは人間に対する毒性のある薬品で、皮膚や目に対する刺激や、蒸気の大量吸引による麻酔作用、肝機能障害、発癌性リスク(Type2A)などのある溶剤です。

ジクロロメタンを蒸気にして使うのは危険な使い方なので、ガレージなどガスが充満する屋内では施工せず、換気の良い屋外で防毒マスクを使用して施工しましょう。

また、ここで紹介する保護具はDIYに使えそうなものをチョイスしただけですので、それを使えば完璧と言うわけではありません。

最終的な保護具選びは自己責任でお願いいたします。

保護メガネ

保護メガネは万一を考えて、サングラスタイプではなくゴーグルタイプを使用しましょう。

通常は直接薬品に触れる訳ではありませんので、材質などは特に問題ありません。

ダイソーやセリアなどで販売されている保護メガネでも十分です。

防毒マスク

有機溶剤作業用の防毒マスクを使用しましょう。

おすすめは3Mの塗装作業用マスクセットがおすすめです。

比較的安く交換用の吸収缶が手に入るので、DIY好きな人なら他の作業でも役に立ちます。

このシリーズのレビューコメントには、カビキラーでお風呂掃除をするときに役立つと多く書かれていて、機会があれば私も試してみようと思っています。

保護手袋

ジクロロメタンに対応した保護手袋は、耐溶剤用のダイローブ5800やシリコン手袋などですが、価格が3,000円から4,000円ほどする高価なものになります。

理想は高価なジクロロメタン対応の手袋を使うべきなのですが、ヘッドライトスチーマーの場合は直接薬品に触れる作業はありませんので、ポリプロピレン(PP)・ポリウレタン(PU)など、ある程度溶剤に強い手袋を使っても良いかもしれません。

間違えてもゴム製(ニトリルゴム含む)の手袋は使用しないで下さい。

ジクロロメタンは浸透性の高い溶剤ですので、触れればすぐにゴムに浸透して肌に到達します。

それとジクロロメタンの蒸気は液体よりも浸透性がかなり高いので、耐薬品手袋をしていても蒸気に直接触れないよう注意して下さい。

ヘッドライトスチーマーを施工上の注意

ヘッドライトスチーマーを施工するときに、ジクロロメタンをこぼした場合は、素手はもちろん手袋でも触れないよう注意しながら、ウエスやティッシュなどで吸い取りましょう。

またヘッドライトスチーマーを施工中に電気ケトルを傾けすぎると溶剤がヘッドライトにこぼれて失敗する可能性があるので注意しましょう。

ヘッドライトスチーマー仕上げは、耐久性が3年と言われていますが、表面にコーティングがない状態では、もっと短くなる可能性があります。

美しい状態を長期間保つにはガラス系コーティングなどを塗った方が良いでしょう。

ガラス系コーティング剤については別の記事で紹介していますので参考にしてください。

ヘッドライトコーティング剤とウレタンクリアーの比較